抄録
内径2.92cmおよび5.64cmのガラス塔により,水および数種の油を連続向流せしめ,塔内の分散相のホールド・アップを測定した(抽出は行わない)。実驗は油を分散させた時,水を分散させた時のそれぞれにつき,分散用ノズルの数および孔径を変化し,分散相と連続相の流量をできるだけ廣範囲に変化させ溢汪速度に達するまで行つた。分散相の流速(空塔断面積に対し)は大体2~60m/hr,連続相の流速は同じく空塔断面積に対して0~110m/hrであつた。しかして前者をUD****,後者をUCとするとUC/UDは0および0.3~36の間にあつた。実驗結果はホールド・アップが兩液相流量(UC, UD)およびその他の諸物理量より成る無次元群によつてかなり一般的にあらわされた。しかもホールド・アップがある値に達すると常に溢汪現象が起ることを知つたので,この結果から安全な操業を行うための塔径が求められると同時に任意の條件におけるホールド・アップを予知することも可能である。