化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
Print ISSN : 0386-216X
ISSN-L : 0386-216X
塩化揮発法による重金属の除去
大竹 伝雄東稔 節治駒沢 勲川嶋 将夫
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 10 巻 1 号 p. 68-74

詳細
抄録
重金属酸化物 (PbO, ZnO, CuO, CdO) の塩化水素ガスによる直接塩化揮発および塩化カルシウムを塩化剤に用いた重金属酸化物を含むスラッジの塩化揮発反応を, 1気圧, 773K~1023Kの温度範囲で検討した.
塩化水素ガスによる塩化揮発反応速度は, 塩化水素ガスの移動速度と塩化物の蒸発速度によって表され, 高温での反応は塩化水素ガスの拡散が律速であり, 低温での反応は重金属塩化物の蒸発速度に支配された.
塩化剤として, 塩化カルシウムを用いた場合は, 共存するシリカによって容易に塩化カルシウムの熱分解が進行し, 生成する塩化水素ガスによる重金属酸化物の塩化揮発が起こり, 重金属塩化物の蒸発によってその速度が律速されることがわかった.
著者関連情報
© (社)化学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top