1988 年 14 巻 5 号 p. 663-669
気泡塔に一部あるいは全部を多孔としたドラフトチューブを備えた場合の流動状態, 液の混合時間, ガスホールドアップおよび気液界面積について実験的に検討した. これらの流動特性にはドラフトチューブの径・長さ, 多孔部分の割合, 孔径, 開孔率により影響されることが認められた.
多孔部分において気液の半径方向の流れが起こり, ガスが多孔部分を通過する際に微細化された. また, 環状部においては, 気液の下向流れとドラフトチューブ内部から出てきたガスが接触し, 気液が激しく混合した.
多孔ドラフトチューブを用いた場合の液の混合時間は, 無孔ドラフトチューブを用いた場合あるいはドラフトチューブを用いない場合よりも著しく短くなり, 混合時間の減少度合は多孔部分の割合に強く依存した.
同一通気速度においては, 多孔ドラフトチューブにすると, 無孔ドラフトチューブの場合より, ガスホールドアップは低くなるが, 気液界面積は高くなった.