抄録
亜瀝青炭から半無煙炭の幅広いランクの18種類の石炭を用い, 円筒状竪型乱流燃焼炉で二段燃焼におけるNOx生成に及ぼす炭種の影響を調べた.この結果, 燃焼初期段階におけるNOx生成挙動は, 従来提案されているモデルでは炭種の影響を的確に表現できないことがわかった.
石炭中窒素は主にHCN, NH3, N2として放出し, これらの揮発化挙動および収率は炭種によって異なる.窒素化合物の種類によってNO酸化・還元反応速度は異なるため, Volatile N化学種が燃焼の初期段階におけるNOx生成に影響を及ぼしていると考えられる.急速昇温下における熱分解実験および管型層流炉から得られたデ-タを基に, HCN, NH3, N2の揮発化速度を求めた.
炭種の影響を精度良く表現するために, Volatile N化学種の生成経路を組み込んだNOx生成モデルを提案した.このモデルに基づいて, 巨視的反応速度式を用いて1次元反応計算解析を行い, 乱流燃焼炉の実験結果と比較した.本研究で提案したモデルによる解析結果は, 実験値と良好な一致を示し, 従来のモデルよりも炭種の影響を的確に表現できることがわかった.