化学工学論文集
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遺伝子組換えによるハイブリッド型人工肝に適したアンモニア除去細胞構築の試み
大政 健史浦山 重雄山中 貢谷村 奈緒子片倉 啓雄岸本 通雅菅 健一絵澤野 伸雨宮 浩
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1998 年 24 巻 2 号 p. 184-189

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抄録
ハイブリッド人工肝に適した人工肝細胞の構築を目的として, 遺伝子組換えにより動物細胞株にアンモニア除去能を付与することを試みた.組込み遺伝子として, 1段階反応でアンモニアを除去可能で, 遺伝子増幅現象を引き起こすグルタミン合成酵素遣伝子を選択した.SV40プロモーターを接続したグルタミン合成酵素遺伝子を組込んだpSV2-GSベクターを構築し, Chinese Hamster Ovary細胞に遺伝子導入した.得られた組換え細胞株をグルタミン合成酵素の阻害剤Methionine Sulfoximine (MSX) の存在下にて選択を行ない, グルタミン合成酵素活性の上昇した細胞株 (800μM MSX耐性株) を取得した.さらに, 得られた細胞株のアンモニア除去特性を検討した結果, 0, 1, 2mMいずれのアンモニア添加条件下においても培養中期 (増殖期) にアンモニア消費がおこり, そのアンモニア比消費速度の値は人工肝に汎用されている初代肝細胞の約1/5の値となった.
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