化学工学論文集
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サーマルスイング吸着式VOC濃縮装置用ハニカム吸着体の改善とスケールアップ技術について
三津間 洋一隈 利実山内 恒広瀬 勉
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1998 年 24 巻 2 号 p. 248-253

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抄録

熱安定性の高い, セラミック繊維紙をハニカム構造を持つ吸着体マトリックスに成形し, 熱処理後, ハイシリカゼオライトとバインダーを分散させたシリカゾルの液に浸した.更に乾燥工程を経て, このマトリックスの繊維間の空隙にハイシリカゼオライトを含浸固着させ, 再生時に着火の恐れの無いVOC濃縮用のハニカム型吸着剤ローターを得た.ハニカム成形時に無機接着剤セピオライト (山皮) を用いた新しい吸着剤ローターでは, セピオライトを用いない従来の吸着剤ローターに比べ1.6~3.2倍の破壊強度の増加がみられた.又, この吸着剤ローター用に二種類の異なった形状のフッ素ゴムシールを開発し, 各ゾーン間及び外周部への空気の漏洩速度を測定し, 漏洩量が十分低い事を確認した.この製法に基づく吸着剤ローターとシール構造を用いて3,950mmφ×450mmLの大型VOC濃縮装置を製作して実機運転した結果, 代表的なVOCに対し, 10倍濃縮で90~95%除去という小型試験と同等の高い濃縮性能を持つことが判った.

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