要旨:FDG-PET 検査は,検査時の血糖値・インスリン値によって画像が変わるため,絶食下で行われている.実際の日常診療では,絶食が守られずに少量の摂食,糖分入り飲料の飲水後に来院する場合がある.このような至適でない状況で行われたPET 画像を多施設で振り返った.軽微な食物,飲料摂取にて行われたPET 検査は,ほとんどの症例で診断可能な画像が得られていた.全身の筋肉や心筋にびまん性の集積亢進をみとめ,診断に不適な画像を呈したのは,本来検査を中止すべき摂取があったと考えられる症例に限られていた.FDG 投与前の絶食時間中に,判断に迷うほどの軽微な摂食があっても,読影可能な画像が得られる可能性が高い.