「酸とは水素イオンをほかの物質に与えることができるもの。ほかの物質から水素イオンを受けとるものを塩基という」「酸とは陽子を相手に与える物質をいい, 塩基とは陽子を相手から受けとる物質をいう」。これは高校化学の二社の教科書に記載されている酸・塩基の定義である。この例のように多くの高校化学の教科書にはブレンステッドの酸・塩基の定義が記載されている。しかし, 酸・塩基の反応や性質など具体的な扱いとしては, アレニウスの酸・塩基を基準にした内容になっている。そこで現在高校化学で学習している内容(やや発展した部分もあるが)をブレンステッドの酸・塩基を基準に, また, 電離平衡を中心に再検討してみた。