化学と教育
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土壌における酸性・塩基性(身の回りの酸・塩基)(<特集>酸と塩基)
竹島 征二
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1989 年 37 巻 6 号 p. 600-603

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抄録

一般に湿潤地域の土壌は酸性であり, 乾燥地域の土壌はアルカリ性である。酸性土壌では土壌溶液は水酸イオン(OH^-)よりも水素イオン(H^+)を多く含み, アルカリ土壌ではH^+よりもOH^-を多く含んでいる。土壌が極端に酸性になったり, アルカリ性になったりすると, 植物の生育, 有用微生物に悪い影響を与える。例えば, 強い酸性の土壌ではカルシウムが欠乏したり, 土壌からアルミニウムが多く溶け出すため植物の根を傷めたりする。反対に, アルカリ性が強くなると窒素, リン酸やカリなどの肥料成分の効き目がなくなる。日本の土壌の大部分は自然条件の下で酸性化しやすく, 酸性土壌が多く存在する。そこで酸性土壌がもつ二, 三の性質について述べることにする。

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© 1989 公益社団法人 日本化学会
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