化学と教育
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環境汚染物質 PCB の処理技術(話題を探る)
永瀬 久光
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1994 年 42 巻 6 号 p. 418-422

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抄録

かつてPCB(Polychlorinated biphenyl : ポリ塩素化ビフェニル)は, 安定性, 脂溶性, 蓄熱性, 難燃性, 絶縁性など合わせ持った優れた物性から熱媒体, 絶縁油などとして広く使用されてきた。しかし, これらの性質は別の見方をすると難分解性で, 高蓄積性で, 毒性のある, 環境汚染物質としては最も悪い性質を兼ね備えた化合物の一つである。PCB処理しようと, 燃焼すればベンゾフラン, ダイオキシンのようなさらに強毒性化合物が生成するなどの困難が生ずる。処理できず保管されているPCBが, 再び汚染を引き起こす前に, これを安全に無害化処理する必要がある。

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© 1994 公益社団法人 日本化学会
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