化学と教育
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8 老化に科学のメス(生命科学を考える)
三井 洋司
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1994 年 42 巻 8 号 p. 556-562

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抄録

若い人が最近, 老化の研究に強い関心を寄せるようになった。古くからある発生学やがん研究より次世代を行く科学の芽を先見した若人の感覚は鋭い。今や老化は, 分子生物学者, 細胞生物学者の熱い注目の的である。化学者がそれに無知でいられるだろうか。正常細胞は分裂をくり返してやがて分裂停止する。機能を果たして死に至る。がん細胞は不死化して悪性となる。これらにすべて遺伝子の関与することが判ってきた。がん細胞でさえ抑制して寿命をもたらしてしまう老化遺伝子(モータリンもその一つ), プログラム細胞死を起こす遺伝子, 細胞の分裂を数えるテロメア遺伝子の短縮化など, 老化の科学にメスが入ったのは確実である。

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© 1994 公益社団法人 日本化学会
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