化学と教育
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牛乳とカルシウム(食品をめぐる話題)
青木 孝良
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1998 年 46 巻 9 号 p. 558-561

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抄録

牛乳中には溶解度以上のカルシウムとリン酸が含まれており, リン酸カルシウムはカゼインと呼ばれるリンタンパク質に結合して, 巧妙な形態で存在している。このようなカルシウムの存在形態は, カルシウムが消化管で吸収されるのに有利である。カゼインが消化される過程で生成するホスホペプチドは消化管内でカルシウムが沈殿するのを阻止し, カルシウムの吸収を高める。また, 牛乳中には乳糖やビタミンD等のカルシウムの吸収促進物質が存在している。これら, 牛乳カルシウムの生体利用性が優れている理由について述べた。

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© 1998 公益社団法人 日本化学会
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