化学と教育
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中毒のプロセス・仕組み・解毒 (2) 有毒ガス(化学物質と危険性)
権守 邦夫
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1999 年 47 巻 6 号 p. 374-377

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抄録

主な有毒ガスについて解説する。一酸化炭素は無色, 無臭, 無味の気体。空気に対する比重は0.967。主として有機物の不完全燃焼により産生する。一酸化炭素は主に血液の赤血球中に存在するヘモグロビンと結合して一酸化炭素ヘモグロビンを形成し, 血液中の酸素運搬能力を低下させることにより, 組織内酸素欠乏を惹き起こし毒性を示す。プロパンガスはプロパンやブタンなどの混合ガスで, 多くの種類がある。空気よりも重いため, 酸素欠乏を起こして症状が発現する他に, ガス自体に麻酔作用がある。その他硫化水素, 塩素ガスによる中毒についても解説する。

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© 1999 公益社団法人 日本化学会
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