化学と教育
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PCR(化学ノ中ノ増幅現象)
川口 竜二
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2000 年 48 巻 7 号 p. 436-439

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抄録

ヒトゲノム解析を始め, 遺伝子関連の発見や技術開発が注目されている。遺伝子操作の分野に一大革命をもたらしたのがポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction, PCR)である。PCRは代表的なin vitro DNA増幅技術である。PCRの利用で詳細な遺伝子の解析や, 様々な遺伝子組み換え実験が容易にできるようになった。1985年にこの方法を発表した米国シータス社(当時)のKary B. Mullisはその功績で, ノーベル化学賞を受賞した(1993年)。これは後になって考えれば単純な原理で, だれにでも簡単に実験できるだけに画期的であった。ここではPCRの原理と応用についてのべ, またこの分野の最近の話題についてふれたい。

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