化学と教育
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超臨界流体クロマトグラフィー(講座:クロマトグラフィーの進歩4)
松村 幸彦
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2004 年 52 巻 2 号 p. 100-103

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抄録

超臨界流体クロマトグラフィーは,移動相に超臨界流体を用いた分離手法の一つである。高拡散性と低粘性という物性を有する超臨界流体をクロマトグラフィーの移動相として用いた場合,その特徴から高い分離能力を備えることになる。近年では,市販の装置も安価に入手が可能となり,各種検出器が利用できる状況から多くの対象成分が測定可能な環境が整ってきた。このような超臨界流体クロマトグラフィーは,高分離かつ短時間に多検体の測定が可能な分離分析手法である。さらに,超臨界ニ酸化炭素を主溶媒として用いた時には,安全性,低コスト,分取後の後処理が容易などの利点から,分取クロマトグラフィーとしても期待できる精製法の一つである。今後,環境に優しい分離法として,広い分野でさらに利用されていくと予想される。

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© 2004 公益社団法人 日本化学会
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