2006 年 54 巻 5 号 p. 260-263
「原子」「分子」の存在を実感として理解するのは初等中等教育レべルでは難しいと思われる。そこで,博物館という教育現場と研究現場をつなげる「場」を生かして,実験を通してどのように微視的物質観を養えるかを検討している。微視的世界を探る間接的な方法として分光法を取り上げ,筆者らが考案したDVD分光器をより使いやすいものに改良し,さらに観察画像を無料ソフトで数値化し表計算ソフトによる解析やスペクトルチャートの作成を検討した。また,直接的な方法として走査プローブ顕微鏡(SPM)による微視的世界の観察を,高校生に実際にしてもらった。