2009 年 57 巻 8 号 p. 368-371
当社はNEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)プロジェクト「マイクロ分析・生産システム」(2002〜2006年),「革新的マイクロ反応場利用部材技術開発」(2006〜2011年)に参画し,マイクロ化学プロセス技術開発に取り組んできた。プロジェクトを通じて迅速混合性能,非等量混合に優れる中心衝突型マイクロリアクター(KMリアクター)を開発した。また有機顔料微粒子合成法として液相ビルトアップ法に分類されるpH変換共沈法を開発し,この製法にKMリアクターを用いることで有機顔料ナノ粒子合成に成功した。さらにパイロットプラントを建設して有機ナノ顔料微粒子の量産化の可能性について検討し,年間稼動時間4,800時間と想定した場合に,生産量は年間で50トンに相当する量の透明ナノ有機顔料分散液が生産可能であることを示すことができた。