2012 年 60 巻 3 号 p. 92-95
中学生にもなれば「なぜ?」を知りたくなるのに,中高校の化学(理科)が「なぜ?」を欠くため,生徒は興味を失っていくのだろう。暮らしにも大学にも無縁な用語や概念,ときにはウソの説明をひたすら「覚えろ」だから,国民の科学リテラシーも向上せず,大学に入った若者は苦労(ないし脱落)する。先進国に類のない「指導要領+検定」が,日本を世界の孤児にした。孤児状態を脱するには,国際標準の高校化学をもとにしたカリキュラム刷新が望ましい。最短の道は大学入試の改革だろう。