化学と教育
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日本の化学工業の現状と未来(ヘッドライン:未来の化学工業)
宮本 昭彦
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2013 年 61 巻 9 号 p. 420-425

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抄録

化学工業は,出荷額,付加価値額,雇用などの面で我が国の中核産業である。石油化学分野は,日本国内では成熟産業であるが,シェールガスなど新たな原料を活用して世界に飛躍することが期待される。機能性化学品分野では,我が国の化学企業の競争力は高いが,課題もある。化学工業は,学問としての「化学」の成果を実際の社会に応用することで,社会に大きな変革をもたらしてきた。化学工業の使命は,新しい素材を社会に提供することで,これからの社会の抱える課題を解決していくことにある。また,我が国の「化学」分野での学術水準は高く,これに立脚する産業としての「化学」の将来も期待できる。しかし,これからも化学工業が発展していくためには,学問としての「化学」と,産業としての「化学」が一体となって国民の化学的素養の向上に貢献し,社会への発信を強めていく必要がある。

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© 2013 公益社団法人 日本化学会
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