2015 年 63 巻 5 号 p. 242-245
高等学校の化学の教科書では,酸・塩基や酸化・還元の分野を中心に「滴定」が扱われている。未知の試料濃度を明らかにする方法として滴定法が存在し,高等学校だけでなく大学や研究機関においても,成分の分析をする際,ひとつの方法として用いられている方法である。電気・電子機器を使う方法も存在するが,それらを使用しない簡便な方法でも分析が可能である。基本は,2種類の物質の化学変化がちょうど釣り合う点をみつけることにより,成り立っている方法である。実際にどのように使うかという視点で,滴定について述べる。また,今回,逆滴定についても後段で述べる。