2016 年 64 巻 1 号 p. 26-29
青森りんごへの信頼は,貯蔵技術の発達とともに確立された周年供給体制により支えられている。りんごの貯蔵技術には,Controlled atmosphere(CA)貯蔵,Modified atmosphere(MA)包装,スマートフレッシュ^<TM>などがある。長期貯蔵の要であるCA貯蔵は,庫内の気体組成を人為的に調整することにより果実の呼吸を抑え,鮮度を保持する技術である。MA包装は,フィルムのガス透過性と果実の呼吸によって包装内の気体組成が調整されることにより,CA貯蔵と似た鮮度保持効果が得られる。スマートフレッシュ^<TM>は,エチレンの作用を強力に阻害する化合物1-メチルシクロプロペンを応用した鮮度保持技術で,その高い効果から世界的に利用が広がっている。