2017 年 65 巻 9 号 p. 432-435
原子価殻電子対反発(VSEPR:valence shell electron pair repulsion)モデルは,分子をルイス構造(電子式)で表し,電子対間の反発を考えることにより,分子の形を定性的に簡便に予測できる。この考え方は,化学基礎の教科書にも登場し,大学入試問題にも出題されている。分子の構造を丸暗記に頼らず予測できるVSEPRモデルや,それを考える上で前提となるルイス構造,VSEPRモデルより理論的な背景をもつ混成軌道の概念などを高校現場の経験をふまえ,いつどこまで教えるのか振り返ってみた。