2018 年 66 巻 7 号 p. 322-325
化学リテラシー構築の基盤となる中等化学教育の基本概念を確立させるため,日本化学会の約60年にわたる化学教育への取り組みの歴史を調査した結果,「粒子」,「エネルギー」,「環境」,「グリーン・サステイナブルケミストリー(GSC)」などの概念が重要であることがわかった。現在,日本の教育風土(小・中・高一貫性,教材・教具,学習時間など)にあう中等教育における化学の基本概念や文脈を踏まえたカリキュラムづくりが求められている。これまでと同様に日本化学会が牽引役となり,中等化学教育の諸課題に取り組む必要があると考える。