東洋医学への意識調査を, 2つの学年の奈良医大医学生を対象に3学年間進級とともに追跡調査した。協力したのは, 2, 3, 4学年進級の学生では59名, 81名, 77名, 3, 4, 5学年の学生では72名, 51名, 34名であった。両学年は2004年に東洋医学講義を受けており, 講義前年, 講義年, 講義後年に区別して解析した。東洋医学に対して興味をもっていると答えた学生は, 講義前年85.4%, 講義年82.5%, 講義後年94.6%であり, 「西洋医学と異なるよさがある」を理由としている。一方, 「興味がない」と答えた学生の78.9%が「東洋医学をよく知らないから」としている。「東洋医学の効果に疑問があるから」は講義前年に36.8%であったが, 講義後年では皆無となった。進級につれ東洋医学への意識は大きく変化した。女子学生の方が高い意識を保持していたが, 学年推移による大差はなかった。以上, 向上的意識変化は講義や環境動向による影響が推測された。