日本東洋医学雑誌
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臨床報告
桂枝湯類が奏効したダンピング症候群の4症例
長坂 和彦福田 秀彦名取 通夫
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2008 年 59 巻 3 号 p. 495-497

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抄録

胃亜全摘後のダンピング症候群に桂枝湯類が奏効した4症例を報告する。症例1は30年前に胃亜全摘術を受けた57歳の男性。手術直後から食後10分~4時間にふるえたり目がちかちかしてぼやける感じがするようになった。症状は空腹時に起こりやすい。桂枝湯エキスでこれらの症状は消失した。症例2は7年前に胃亜全摘術を受けた63歳の男性。ここ1~2年,食後20~30分に発汗と易疲労感を自覚するようになった。桂枝湯エキス服用後はダンピング症状はなくなった。症例3は9年前に胃亜全摘術を受けた71歳の女性。手術後,食事と関係なく冷や汗や目眩が出現するようになった。桂枝加芍薬湯や小建中湯服用後は上記の症状が消失した。症例4は2年前に胃亜全摘術を受けた72歳の女性。昨年7月から食後30分~3時間の間に,発汗やホットフラッシュが出現するようになった。症状は飴をなめると改善する。桂枝湯エキス内服後,発作は消失した。

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© 2008 一般社団法人 日本東洋医学会
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