日本東洋医学雑誌
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臨床報告
清湿化痰湯治験
関矢 信康並木 隆雄笠原 裕司地野 充時林 克美平崎 能郎小川 恵子来村 昌紀橋本 すみれ大野 賢二寺澤 捷年
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2008 年 59 巻 6 号 p. 793-798

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抄録

清湿化痰湯は『壽世保元』を出典とし,肋間神経痛およびこれに類する胸背部の疼痛に用いられてきた方剤である。今回,我々は胸郭に疼痛あるいは冷えを訴える5症例に対して清湿化痰湯を投与し,4症例に有効,1症例には無効であった。有効例,無効例と文献的検討から清湿化痰湯を投与する際には,移動性の胸郭の冷え,水毒の症候が多く認められること,脈状は浮ではないこと,炎症による胸郭の疼痛では肺の失調病態に伴うものであることに留意すべきであると考えられた。

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© 2008 一般社団法人 日本東洋医学会
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