日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
ISSN-L : 0287-4857
臨床報告
線維筋痛症に対し白虎湯加味方が著効した症例
橋本 すみれ地野 充時来村 昌紀王子 剛小川 恵子大野 賢二平崎 能郎林 克美笠原 裕司関矢 信康並木 隆雄寺澤 捷年
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 60 巻 2 号 p. 171-175

詳細
抄録

線維筋痛症による全身の疼痛に対し,白虎湯加味方が有効であった症例を経験した。症例は65歳女性。自覚症状として,夏場に,あるいは入浴などで身体が温まると増悪する全身の疼痛および口渇,多飲があり,身熱の甚だしい状態と考えて,白虎湯加味方を使用したところ全身の疼痛が消失した。線維筋痛症に対する漢方治療は,附子剤や柴胡剤が処方される症例が多いが,温熱刺激により全身の疼痛が悪化する症例には白虎湯類が有効である可能性が示唆された。

著者関連情報
© 2009 一般社団法人 日本東洋医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top