日本東洋医学雑誌
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東洋医学の広場
東洋医学論文をいかに書くべきか?
—日本東洋医学雑誌編集委員会の議論より—
伊藤 隆渡辺 賢治池内 隆夫石毛 敦小曽戸 洋崎山 武志田原 英一三浦 於菟関矢 信康及川 哲郎木村 容子
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2009 年 60 巻 2 号 p. 195-201

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抄録

東洋医学論文には東洋医学を西洋医学のルールで論じることに起因した特異性がある。西洋医学に比較すると,人文科学的要素の多い東洋医学では記述が主観的になる傾向がある。目的,方法,結果,考察は,論文内容を客観化させ,査読者と読者の理解を容易ならしめるために必要な形式と考えられる。より客観的な記述のためには,指定された用語を用いることが理想であるが,現実的には多義性のある用語もあり,論文中での定義を明確にする必要がある。伝統医学では症状と所見と診断の区別が不明瞭な傾向があるが,科学論文では明確に区別して記述しなくてはいけない。新知見を主張するためには,問題の解決がどこまでなされているかをできるだけ明らかにする必要がある。投稿規定の改訂点である,漢方製剤名の記述方法,要旨の文字数,メール投稿について解説した。編集作業の手順について紹介し,再査読と却下の内容に関する最近の議論を述べた。

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© 2009 一般社団法人 日本東洋医学会
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