日本東洋医学雑誌
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臨床報告
奔豚と思われた諸症状に呉茱萸湯エキスと苓桂朮甘湯エキスの併用が奏効した6症例
笠原 裕司小林 豊地野 充時関矢 信康並木 隆雄大野 賢二来村 昌紀橋本 すみれ小川 恵子奥見 裕邦木俣 有美子平崎 能郎喜多 敏明寺澤 捷年
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2009 年 60 巻 5 号 p. 519-525

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抄録

奔豚と思われた諸症状に呉茱萸湯エキスと苓桂朮甘湯エキスの併用が奏効した症例を6例経験した。5例はパニック障害,1例は全般性不安障害と推定され,6例いずれも,動悸,吐き気,めまい,頭痛やそれらに随伴する不安感などを訴えて,肘後方奔豚湯証と考えられた。呉茱萸湯エキスと苓桂朮甘湯エキスの併用投与で症状軽快し,あるいは肘後方奔豚湯からの変更で症状は再発しなかった。呉茱萸湯エキスと苓桂朮甘湯エキス併用は肘後方奔豚湯の代用処方として奔豚の治療に有効である可能性が示された。

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© 2009 一般社団法人 日本東洋医学会
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