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日本東洋医学雑誌
Vol. 61 (2010) No. 2 P 138-146

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http://doi.org/10.3937/kampomed.61.138

原著

背景:柴苓湯は小柴胡湯と五苓散の合方で,12種類の生薬で構成された漢方薬であり,免疫関連の疾病の治療で頻用される。方法:組織適合抗原完全不一致マウスの心臓移植モデルを使って,柴苓湯の移植免疫についての効果を検討した。結果:無処置および蒸留水を投与したCBAレシピエントは,C57BL/6マウスの心臓を生存中間値(MST)7日と8日で拒絶した。柴苓湯エキスを2g/kg/day投与した群では,MSTは100日以上であった。柴苓湯エキスを0.2,0.02,0.002 g/kg/dayで投与した群では,MSTはそれぞれ41日,7日,7日。小柴胡湯エキス群と五苓散エキス群と12種類の単味生薬エキス単独ではいずれも柴苓湯と同じ効果は認められなかった。混合リンパ球培養試験で,柴苓湯投与群は細胞の増殖を抑えて,IFN-γの産生も抑えた。免疫制御細胞の分析で,柴苓湯投与群のCD4陽性細胞中のCD4陽性CD25陽性FOXP3陽性細胞の比率が増加した。結論:柴苓湯は組織適合抗原完全不一致マウス移植心の生着を延長した。この結果は用量依存性であり,12種類の生薬の併用作用の可能性が高いことが示唆された。

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