日本東洋医学雑誌
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東洋医学の広場
日韓伝統医学の潮流
1.韓国韓医学の潮流
2.漢方医学の潮流
金 璋顯石野 尚吾
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キーワード: 伝統医学, 韓医学, 漢方医学
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2010 年 61 巻 3 号 p. 345-358

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抄録

(社)日本東洋医学会と大韓韓医学会は,日韓両国の伝統医学を代表する機関として,2009年3月29日に日韓学術交流協定を締結させ,調印式を行った。それを契機に両学会を代表して,両会長が記念講演を行った。
金会長:中国とは異なる独自の伝統医学が紀元前から存在し,例として神農本草経に記載のないヨモギとニンニクを挙げた。中国の三国時代では日・中・韓の医学交流が広範囲に行われた。東医宝鑑の刊行後,韓医学は民衆に根付き,四象医学も生み出され,1876年以降西洋医学の流入により,二元的医療体系が成立し,現在に至っている。
石野会長:漢方医学は古代中国に源を発するが,特に江戸時代に日本化された医学である。特徴は学より術を重視し,観念的な議論を廃し,実証主義的な立場を主張,腹診法などを発展させた。明治の医療制度改革で西洋医学中心となったのが,昭和になり復活し,西洋医学体系における医療の中で漢方医学を確立するまでの歴史的な概略を述べた。

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© 2010 一般社団法人 日本東洋医学会
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