2011 年 62 巻 1 号 p. 65-69
学校や一般社会で健康教育活動を将来担う大学生を対象として,漢方医学についての講義を行う機会があった。このような学生に対する漢方医学教育の目標の設定は検討されていない。我々は漢方医学の必要性を理解し,将来これに関する適切な助言ができることを目標として講義を行った。講義の前後のアンケート調査を検討すると,漢方医学に関する我々の考えている望ましい認識は講義前の58.0 ± 15.4%から講義には88.5 ± 10.2%と増加した。現在行われている漢方医学の有用性に関しては,極めて有用,あるいは有用という認識に関して,講義前は58.4%であったが,講義後には95.9%となった。講義により漢方医学に関する充分な認識にもとづいて,将来,彼らが学校や社会において,漢方医学に関しても適切な健康教育活動を行うことが期待される。