日本東洋医学雑誌
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Print ISSN : 0287-4857
総説
COPDにおける補中益気湯の臨床的有用性
巽 浩一郎
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62 巻 (2011) 3 号 p. 329-336

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抄録

COPDは労作時呼吸困難を主訴とし,QOLが著しく障害される病態である。経過中に体重減少を認める患者は生命予後が悪く,体重減少は呼吸機能の一指標としての気流制限の程度とは独立した予後因子とされている。体重減少に対する治療法として,食事指導や栄養補助療法が用いられているが,必ずしも十分な効果は得られていない。さらに,栄養障害は易感染性を招き,COPDの増悪発症に関与する可能性も考えられる。COPD患者では増悪の度に呼吸機能が低下していくことが想定され,増悪の頻度を減らすことが呼吸機能の維持に貢献するものと考えられる。またCOPDは全身性炎症性疾患であるという認識が高まってきており,それに対する治療も必要と考えられる。補中益気湯には食欲改善や免疫機能改善作用があり,COPDの栄養障害や易感染性の改善,増悪の抑制により,QOLの改善,重症化移行の遅延化,呼吸機能の維持をもたらしうる。

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© 2011 一般社団法人 日本東洋医学会
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