日本東洋医学雑誌
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論説
薬用量および服薬法から見た日本漢方の流派
—薬用量および分服の意義—
鈴木 達彦遠藤 次郎
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2011 年 62 巻 3 号 p. 382-391

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抄録

本研究では日本漢方における薬用量と服用法について検討し,以下の結果を得た。日本の後世派に大きな影響をもたらした曲直瀬道三は,察証弁治により処方を組み立て,既存の処方を用いなかったため,薬用量を把握しづらいが,標準の量の約半分を薬秤として定めている。貝原益軒は1回服用量を1~2銭とし,かなり少ない量を規定している.吉益東洞は一方で権衡を1両=2銭(7.5g)としながら,1回服用量は大まかに3銭を目安としている。このほか,考証学派により1両=1.4gが主張された。

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© 2011 一般社団法人 日本東洋医学会
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