日本東洋医学雑誌
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臨床報告
頸肩腕痛に対する葛根加朮附湯の有効性について
中永 士師明廣嶋 優子横井 彩鎌田 久美子
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2011 年 62 巻 6 号 p. 744-749

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抄録

葛根加朮附湯は肩こり,肩甲部の神経痛,上半身の関節リウマチなどに効能があるといわれている。今回,頸部・上肢痛を訴える症例に対して葛根加朮附湯を投与し,その有効性,安全性について前向き多施設研究を行った。胃腸障害,のぼせ,発汗過多を有さない124例を対象とした。効果判定はVisual Analog Scale (VAS)を使用し,投与前に比べて4週間後のVASが50%以下であれば「著効」,51‐75%であれば「有効」,76%以上もしくは4週間以内に処方を変更した場合は「無効」とした。著効例81例,有効例21例,無効例22例であった。著効例と有効例を合わせた効果ありの症例は82.3%であった。有害事象は5例に認められた。症状としては倦怠感,胃痛,浮腫であった。全例,中止により症状は改善した。葛根加朮附湯は胃腸障害,のぼせ,発汗過多を有さない頸部・上肢痛に対して安全に使用できると考えられた。

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© 2011 一般社団法人 日本東洋医学会
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