日本東洋医学雑誌
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総説
インフルエンザの病態形成機構と生薬成分のウイルス増殖抑制効果
宮崎 忠昭
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2012 年 63 巻 6 号 p. 363-368

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抄録

インフルエンザは,高熱,頭痛,筋肉痛,腹痛,および下痢等の症状を伴う感染症であり,罹患者の症状が重篤化した場合,急性脳症や肺炎などにより死亡することもある。その原因となるインフルエンザウイルスに対しては,抗ウイルス作用を有するインターフェロンが生体防御に重要な役割を担う。我々は,ウイルスのRNAポリメラーゼが,このインターフェロンの発現誘導を阻害していることを見出した。さらに,ポリメラーゼにはSiva-1というアポトーシス誘導分子が会合し,ウイルス増殖および宿主細胞のアポトーシス誘導に働くことを明らかにした。これらの分子はインフルエンザの病態形成,およびウイルス増殖に重要であることが示唆される。
最近,我々は銀翹解毒散および麻黄湯エキスにウイルスの増殖抑制効果があることを示した。そこで,現在,有機溶媒によりこれら成分を分画し,HPLC システムにより抗ウイルス活性物質の単離を進めている。

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© 2012 一般社団法人 日本東洋医学会
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