日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
ISSN-L : 0287-4857
臨床報告
腸管スピロヘータ症治療に大建中湯エキスを用いた一例
岩田 健太郎梅本 善哉神澤 真紀原 重雄横崎 宏西本 隆
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 64 巻 1 号 p. 27-31

詳細
抄録

腸管スピロヘータ症はBrachyspira 属によるまれな消化管感染症である。臨床症状は多彩で無症状から消化管出血,下痢,腹痛など多岐に及ぶ。メトロニダゾールなど抗菌療法を用いることが多いがその治療効果は確立されておらず,難治例も少なくない。この度,腸管スピロヘータ症に大建中湯エキスを用いた症例を経験したので,文献的な考察を交えて報告する。治療方法が確立していない腸管スピロヘータ症であるが,慢性下痢,腹部膨満感,腸管ガスの変化などを主症状とする場合は大建中湯エキスがよい選択肢かもしれない。

著者関連情報
© 2013 一般社団法人 日本東洋医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top