日本東洋医学雑誌
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原著
加齢男性性腺機能低下症候群に対する補中益気湯の効果の検討
熊本 友香久末 伸一安田 弥子井手 久満知名 俊幸井上 正浩斉藤 恵介磯谷 周治山口 雷蔵武藤 智堀江 重郎
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2013 年 64 巻 3 号 p. 160-165

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抄録

今回,我々は加齢男性性腺機能低下症候群患者(late onset hypogonadism : LOH)に対する補中益気湯の有効性について検討した。帝京大学付属病院泌尿器科メンズヘルス外来を受診し,Aging Male Symptoms(AMS)scale が27点以上で,テストステロン補充療法を施行していない47例に補中益気湯エキス7.5g/日を8週間投与した。投与前および投与8週間後のAMS と各種ホルモン値,各種サイトカインについて検討した。47例中31例で評価が可能であり,補中益気湯8週間の投与によって遊離テストステロンは有意な上昇を示し,ACTH とコルチゾールは有意に低下した。補中益気湯投与後の自覚症状は各種質問紙で変化なかった。本検討により補中益気湯はLOH 症候群患者のホルモン値に影響を与えることが証明された。今後,長期間投与による症状変化の検討を要するものと考えられた。

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© 2013 一般社団法人 日本東洋医学会
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