日本東洋医学雑誌
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臨床報告
大承気湯加茵蔯蒿が著効した片側顔面痙攣の1症例
福田 知顕川鍋 伊晃及川 哲郎花輪 壽彦
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2013 年 64 巻 4 号 p. 222-226

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抄録

片側顔面痙攣に対して大承気湯加茵蔯蒿が奏効した症例を経験したので報告する。症例は57歳女性。2年前から,左眼瞼攣縮や左下顎など顔面の痙攣が,緊張時に発作的に起こるようになった。脂肪肝,喘息の治療を目的として,X 年2月に当研究所を受診した。臍へ向かって堅く膨隆している腹を目標に,大承気湯を処方した。服用開始後,喘息発作は消失し,3ヵ月後には左顔面痙攣が減少した。7ヵ月後には肝障害に対して茵蔯蒿を加味した。人間ドックの検査結果を2年間追跡すると,本方投与後に体重が減少し,肝機能が改善していた。本症例の顔面痙攣は,左顔面の発作性不随意収縮であり,症状が片側性であったことから片側顔面痙攣と診断した。痙攣症状が改善したのは,大承気湯の筋弛緩・抗痙攣作用や抗不安作用によるものと考えた。

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© 2013 一般社団法人 日本東洋医学会
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