日本東洋医学雑誌
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臨床報告
多のう胞性卵巣症候群に対する鍼治療の効果
磯部 哲也
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2013 年 64 巻 6 号 p. 326-329

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抄録

多のう胞性卵巣症候群(Polycystic Ovary Syndrome : PCOS)は月経不順や不正性器出血の原因疾患となる。当センターにてPCOS と診断された患者の中で鍼治療を行なった21症例を対象とした。鍼治療6回終了後に迎えた月経周期で超音波断層法および血中エストラジオールとプロゲステロンの測定によって卵胞発育と排卵を観察した。月経開始30日目までに卵胞発育または排卵を認めなかった場合にはピルを投与して消退出血を起こさせ鍼治療を4回追加した後に同様の観察を行なった。鍼治療を10回行なって迎えた月経周期30日目までに卵胞発育および排卵を認めなかった症例を無効とし,それまでに成熟卵胞を認めた症例または排卵した症例を有効とした。
有効症例の割合は57.1%となった。有効症例において成熟卵胞を認めるまでに要した平均日数は20.6日であり,成熟卵胞または排卵を認めるまでに要した平均施術回数は7.9回であった。今回の検討によりPCOS 症例に対する鍼治療の有効性が認められた。

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© 2013 一般社団法人 日本東洋医学会
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