日本東洋医学雑誌
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臨床報告
間質性膀胱炎/慢性骨盤痛症候群に対し漢方併用療法が効果的であった4例
関口 由紀畔越 陽子河路 かおる長崎 直美永井 美江金子 容子吉田 実窪田 吉信
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2014 年 65 巻 4 号 p. 268-272

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抄録

間質性膀胱炎/慢性骨盤痛症候群の疼痛緩和と自律神経失調症状の治療に漢方薬を西洋薬に併用した症例を4例提示した。1例目は42歳女性で,膀胱部痛・陰部痛にたいして竜胆寫肝湯を投与し,自律神経失調症状の改善と慢性疼痛による血流障害の改善に加味逍遥酸を用いた。2例目は51歳女性で,内臓を温めて下腹部痛を改善する安中散を用いた。3例目は49歳女性で,全身の冷えに対して真武湯合人参湯を用いた。4例目は27歳女性で,下半身の冷えに対して当帰四逆加呉茱萸生姜湯を用いた。間質性膀胱炎/慢性骨盤痛症候群の自律神経症状改善をめざす漢方治療が結果的に患者の気血水のバランスを整えていた。

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© 2014 一般社団法人 日本東洋医学会
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