一般用漢方製剤の副作用について,厚生労働省のホームページの副作用情報より,2005年度から2014年度の10年間の件数,内容と変化について検討した。一般用漢方製剤の件数は合計367件であるが,2014年度43件は2005年度16件に比較して3倍弱であり,全体としても増加傾向がある。内容としては,肝機能異常151件,薬疹・過敏症54件,肺障害51件が多い。原因製剤としては,防風通聖散110件,葛根湯45件,八味地黄丸15件,大柴胡湯14件が多く,防風通聖散と葛根湯による副作用事例は増えている。副作用の内容としては,防風通聖散には肝機能異常65件,肺障害23件であり,葛根湯には薬疹・過敏症が21件みられる。一般用漢方製剤により肝機能障害,肺障害などの医療対応を要する副作用が増えている現状は問題である。防風通聖散と葛根湯は副作用の半数弱を占めており,今後の販売等に適切な改善を期待したい。