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日本東洋医学雑誌
Vol. 67 (2016) No. 3 p. 251-256

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http://doi.org/10.3937/kampomed.67.251

原著

内リンパ水腫はメニエール病の指標であり,近年MRI によって診断できるようになった。東洋医学では内リンパ水腫を水毒の病態と考え利水剤が投与されることが多いが,内リンパ水腫が水毒の病態かどうかは実際の症例では検証されていない。今回MRIで内リンパ水腫と診断された11症例を中医学で弁証し,また,水毒および水毒の眩暈の病態を文献で検証した。自験例では,津液の病証7例,腎の病証8例,肝の病証5例であった。文献的には,『金匱要略』の痰飲咳嗽病・水気病篇の条文が水毒による眩暈の病態を表しているとされている。しかし,痰飲咳嗽病篇の眩暈の条文には蝸牛症状の記載がなく,蝸牛症状を伴うメニエール病とは異なる病態である可能性もある。自験例や文献の考察からは,内リンパ水腫は必ずしも水毒の病態とは限らず,腎や肝の病証も考慮し弁証する必要があると示唆された。

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