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日本東洋医学雑誌
Vol. 67 (2016) No. 3 p. 291-295

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http://doi.org/10.3937/kampomed.67.291

臨床報告

当帰四逆加呉茱萸生姜湯が有効であった高齢男性の寒疝2症例を報告した。症例1は74歳男性の両側坐骨神経痛で,交通事故による右下肢切断の既往があった。症例2は80歳男性の疼痛を伴う下半身の冷えで,胆管がん切除術の既往があった。当帰四逆加呉茱萸生姜湯が有効な女性例は脈候・腹候とも虚証であるのに対し,自験2症例は漢方医学的にはむしろ実証傾向で,高齢・手術や外傷の既往が共通であった。男性は女性に比べ冷え症は少ないが,高齢化及び手術や外傷は,男性に於いても寒疝をきたす一因となりうると考えた。今後の高齢化社会に於いては,自験例の様な当帰四逆加呉茱萸生姜湯の有効な男性症例は増加する可能性があり,男性症例を診察する際に,冷えの存在を疑うことが重要であると考えた。

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