日本東洋医学雑誌
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調査報告
広島市内の3つの総合病院における初期研修医の漢方処方状況と意識調査
中島 正光田妻 進
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2017 年 68 巻 1 号 p. 66-71

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抄録

今後の初期研修医の漢方教育に意識調査,漢方薬処方状況調査が必要と考え,3総合病院で初期研修医にアンケート調査を行った。85.7%は漢方に興味を持ち,70.8%が漢方を診療に活用したいと考えていた。漢方処方経験は57.8%で,その約30%が月に数回処方し,予想より高い割合であった。卒後臨床研修で漢方医学を学びたいか,漢方外来を見学したいかという問いに,是非受けたい,受けてもいいを選んだのは77.9%と高率であった。漢方のセミナー・講義・講演の必要性を97.4%が感じ,その理由として西洋医学で不足している部分(27.0%)がある,漢方が優れている場合がある(26.4%)などが選択され,漢方の必要性を示していた。一方,漢方に興味を持てない理由は漢方に触れる機会が少なくよくわからない,漢方に疑問があるなどで,漢方教育である程度は払拭される内容であり,研修中の漢方教育充実が必要であると考えられる。

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© 2017 一般社団法人 日本東洋医学会
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