日本東洋医学雑誌
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臨床報告
妄想型統合失調症の陰性症状に対して加味逍遥散と補中益気湯が有効であった1症例
中西 美保岸田 友紀田上 真次馬場 孝輔萩原 圭祐
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2017 年 68 巻 4 号 p. 352-357

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抄録

妄想型統合失調症の治療中に出現した,無為,自閉,倦怠感,抑うつ等の陰性症状に対して,加味逍遥散と補中益気湯が奏功した症例を経験した。陰性症状に対する治療は,薬物療法や心理社会的療法の有効性が示されつつあるが,これらの治療に抵抗性を示す症例も多い。統合失調症に対する漢方薬治療は,従来の陽性症状に対する補助的治療に留まらず,陰性症状にも幅広く有用な治療であると考えられた。

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© 2017 一般社団法人 日本東洋医学会
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