日本東洋医学雑誌
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短報
芍薬の酸味は幻か
~抗痙攣作用と収斂作用~
萬谷 直樹佐橋 佳郎岡 洋志
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2018 年 69 巻 1 号 p. 52-56

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抄録

中医学の理論では芍薬は酸味があり収斂作用をもつとされている。芍薬の煎液の味を調査するため,12人のボランティアが赤芍と白芍の煎液を試飲した。各人は赤芍と白芍の味が五味(酸,苦,甘,辛,鹹)のうちどれに近いかを選択した。一番感じる味として,ほとんどの者は苦味を選択したが,酸味を選択した者はいなかった。少なくとも現代においては,芍薬にはほとんど酸味がないと考えられた。芍薬の収斂作用と筋弛緩作用について酸味と関連づけて考察を行った。

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© 2018 一般社団法人 日本東洋医学会
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