日本東洋医学雑誌
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調査報告
東京女子医科大学東洋医学研究所における面状電気温熱器を用いた置鍼治療の安全性
蛯子 慶三高田 久実子伊藤 隆木村 容子佐藤 弘
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2018 年 69 巻 4 号 p. 402-406

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抄録

当研究所では寒証に対して面状電気温熱器を用いた置鍼治療を行っている。腰背部8ヵ所に置鍼後に面状電気温熱器を被せ,6段階に温度調節できるダイアルのうち2番目に熱い5チャンネルで20分間加温する本法を,寒証の治療および検査として用いている。加温途中で熱さを不快に感じたときには,治療目的で用いた場合は温度を下げて継続,検査目的で用いた場合はその時点で終了としている。2016年3月から10月までの8ヵ月間に実施した75例(224件)を対象に有害事象を調査したところ,皮膚表面のヒリヒリ・チリチリした感じが5件(2.2%),かゆみが3件(1.3%),体調不良が1件(0.4%)みられたが,いずれも一時的なものであり,重篤な有害事象は認めなかった。結果より,本法の安全性は高いと考えられた。漢方と鍼灸の臨床研究に繋げていくことが今後の課題である。

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© 2018 一般社団法人 日本東洋医学会
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