日本東洋医学雑誌
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臨床報告
慢性腎臓病合併慢性心不全患者における五苓散の有用性と安全性の臨床的検討
川原 隆道千葉 浩輝高橋 浩子奈良 和彦田中 耕一郎阿多 智之橋冨 裕堂前 洋
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キーワード: 心不全, 腎機能低下, 五苓散
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2019 年 70 巻 1 号 p. 57-64

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抄録

心不全に対する西洋医学的治療のエビデンスは確立されつつあるが,慢性腎臓病(CKD)合併心不全患者の治療に関してのエビデンスは確立されていない。このような CKD 合併心不全患者に対して標準治療への漢方薬の追加治療の安全性と有用性は明らかにされていない。今回,当院において過去2年間に,標準治療の効果が不十分であり五苓散7.5g/日を追加投与したstageⅢ以上の CKD 合併心不全患者20名を後ろ向きに検討した。11名で,息切れや浮腫などの症状,胸部レントゲンでのうっ血や胸水は改善し,血清 BNP も低下し心不全の改善を認め,腎機能,血漿浸透圧の悪化は認めず,臨床的に問題となる電解質悪化も認めなかった。 CKD 合併心不全患者に対する標準治療に加えた五苓散投与は安全かつ有用である可能性が示唆された。

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© 2019 一般社団法人 日本東洋医学会
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