持続する食欲不振,体重減少に対して西洋医学的な診断ができず,食欲不振に付随する症状から東洋医学的に診断し,白虎加人参湯を服用し,有効であった症例を経験したので報告する。症例は83歳男性。痰,食欲低下で受診,胸部CT にて胸膜下に磨りガラス影と網状影を認め,特発性間質性肺炎として経過観察していた。食欲不振,体重減少が続き,消化器,消化管の精査を行ったが,食欲不振の原因は特定できず,半年で約30kg の体重減少となり入院となった。神経疾患,膠原病,内分泌的疾患,精神疾患等は認めず,食欲不振,体重減少の原因を同定できなかった。頸部,両上肢,両足関節以下の冷え,頭頂部の熱感,冷えた食物の嗜好に着目し,東洋医学的に,厥逆,熱厥と診断し,白虎加人参湯の内服を開始した。その後,食事量は増加し,頸部,上肢・足の冷え,頭頂部の熱感は軽減,消失した。食欲不振に対して漢方薬で治療することは有効であると考えられた。